仕事のプレゼン映像を見返したとき、ふと自分の笑顔が気になった……。「八重歯が可愛い」と友人から言われてきたけれど、プロとして、このままでいいのだろうか? そう迷っていませんか。
もし今、そんなふうに感じているなら、それはキャリアやご自身の将来と、きちんと向き合っている証拠です。
この記事の目的は、あなたが「健康」「キャリア」「自己投資」という3つの価値観に照らして、判断基準をはっきり持ち、納得して結論を出せるようにすることです。
読み終える頃には、八重歯への漠然とした不安が、自分の決断への自信に変わっているはずです。
KEIKO/ 歯科衛生士
歯科衛生士。都内の歯科医院でのクリーニング・着色除去の現場経験をもとに、ホワイトニングや歯列矯正などの歯に関する知識についてをやさしく解説します。子育て真っ最中。趣味はガーデニングと読書。最近下の子が覚えた言葉は「バイバイ」。
「八重歯はチャームポイント」は本当?まず知るべき2つの客観的事実
私が特によくいただく質問の一つに、「この八重歯、このままだと将来どうなりますか?」があります。そこには健康面の不安だけでなく、「自分の個性や見た目を否定されたくない」という繊細な気持ちが隠れていることも少なくありません。
まず大前提として、八重歯をどう捉えるかは人それぞれの価値観です。そのうえで、歯科医師としてお伝えしておきたい客観的な事実が2つあります。
- 事実1:八重歯は「不正咬合」の一種 「八重歯」は、専門的には犬歯が本来の位置からずれて生えている状態を指します。
これは歯並びが乱れている状態、つまり「不正咬合」の一種に分類されます。見た目の好みとは別に、医学的には「噛み合わせにズレがある状態」と整理される、ということです。 - 事実2:不正咬合は、将来の虫歯や歯周病の原因になりうる なぜ不正咬合が問題になりやすいのかというと、歯並びの影響で、歯みがきがしにくくなることがあるからです。
八重歯のように歯が重なっている部分は歯ブラシが届きにくく、磨き残しが増えがちです。その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まりやすくなります。
補足:なぜ「磨き残し」が増えると、将来の差につながるのか
歯が重なっている部分は、プラーク(細菌のかたまり)がたまりやすくなります。
これは感覚の話ではなく、研究レビューでも「叢生(歯のガタつき)は食べかすやプラークが残りやすい構造になり、虫歯リスクに関与しうる」という趣旨で整理されています。
また歯周病についても、「不正咬合と歯周状態には関連がみられる」とするレビューがあり、必ずしも“見た目だけの問題”とは言い切れません。
見た目の印象だけでなく、こうした将来の健康リスクがあり得ることを、まず落ち着いて知っておく。これが、後悔しない選択の第一歩になります。
補足:八重歯が「可愛い」と言われる一方で、仕事では気になる理由
八重歯の印象は、場面によって変わります。プライベートではチャームポイントでも、プレゼン・面接・商談など「清潔感」「誠実さ」「プロらしさ」が求められる場面では、本人の自己評価(自信)に影響してしまうことがあります。
ここで大切なのは、他人の評価よりも「自分がどう感じているか」です。自分の気持ちを置き去りにして決めてしまうと、矯正しても・しなくても後悔しやすくなります。
あなただけの答えを出す思考法|3つの価値観でメリット・デメリットを再評価

では、健康リスクがあるなら、全員が矯正すべきなのでしょうか。私はそうは思いません。大切なのは、あなた自身の価値観と照らし合わせて、矯正の価値を判断することです。
そのために、私が患者さんにお伝えしている「3つの考え方のフレーム」をご紹介します。一般的なメリット・デメリットを、あなたの人生の軸で見直すためのツールです。
- 視点1:長期的な「健康」への投資として考える 矯正治療を、数年間の「治療」としてだけでなく、数十年の「健康維持」への投資として捉える視点です。
磨きやすい口の環境を整えることで、将来かかるかもしれない虫歯や歯周病の治療費、そして通院の手間を減らせる可能性があります。 - 視点2:自己肯定感と「キャリア」への影響を考える あなたがプレゼン映像を見て感じたように、口元の印象は自信や、相手からの信頼感に影響することがあります。
コンプレックスが軽くなり、心から笑えるようになることで、仕事のパフォーマンスや人間関係にどんな良い変化が起こり得るかを考えてみましょう。 - 視点3:費用と時間を「自己投資」として考える 矯正には、決して小さくない費用と時間が必要です。もしそのリソースを矯正に使わないとしたら、あなたは何に使いますか?
(例:資格取得、留学など)。他の自己投資と比べたとき、あなたにとって一番納得できる選択は何かを見極める視点です。
3つの視点を「判断」に変える|5分でできるセルフワーク
ここで一度、頭の中だけで考えるのをやめて、メモに書き出してみてください。判断がぐっとラクになります。
- 健康:「5年後・10年後、歯科の通院が増えるのはできれば避けたい?」(はい/いいえ)
- キャリア:「人前で話す場面で、口元が気になって本来の力が出ない瞬間がある?」(よくある/たまにある/ない)
- 自己投資:「矯正に80〜120万円を使うなら、何を減らす必要がある?」(美容・旅行・学び・貯蓄など具体的に)
- 優先順位:今のあなたにとって、上の3つは何が1番?(健康/キャリア/自己投資)
- 期限:「いつまでに結論を出したい?」(例:次の評価面談まで、転職活動まで、結婚式まで)
このワークの目的は、矯正する・しないの正解を決めることではありません。あなたが後から後悔しやすいポイントを、先に見つけることです。
矯正を決める前に知っておきたいこと|治療法・費用・期間の現実
3つの視点で考え、もし「矯正について、もう少し具体的に知りたい」と感じたら、次はこのステップです。ここでは、代表的な治療法や費用・期間の目安など、事実として知っておきたいポイントを整理します。
歯列矯正には、大きく分けて2つの方法があります。「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」です。それぞれにメリット・デメリットがあり、あなたの生活スタイルや八重歯の状態によって、合う選択は変わります。
まず最初に知るべき前提:八重歯(犬歯)は“動かしにくい”ことがある
犬歯は根っこが長く、歯並びのカーブの要所にあるため、症例によってはコントロールが難しくなることがあります。マウスピース矯正でも軽度〜中等度なら対応できる場合がありますが、状態によってはワイヤーの方が安全で確実なケースもあります。大事なのは「装置の好み」よりも、あなたの八重歯がどれくらいの難しさなのかを把握することです。
治療が終わった後の「保定期間」こそが、とても重要です。
なぜなら、歯並びがきれいになった時点で満足してしまい、歯並びを保つための保定装置(リテーナー)の装着が続かなくなる方がいるからです。
その結果、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起きてしまうのは、とてももったいないことです。矯正は、歯を動かす期間と、それを安定させる期間がセットで、はじめて完了すると考えてください。
| 特徴 | ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 |
|---|---|---|
| 見た目 | 装置が目立ちやすい(白色や透明の選択肢もあり) | 透明で目立ちにくい |
| 費用(目安) | 60万円~100万円 | 80万円~120万円 |
| 期間(目安) | 1年~3年 | 2年~3年 |
| 対応症例 | 幅広い不正咬合、歯並びや噛み合わせが悪い状態のことに対応可能 | 軽度~中程度の不正咬合、歯並びや噛み合わせが悪い状態のことが中心 |
| 注意点 | 食事や歯磨きに工夫が必要。装置による口内炎のリスク。 | 1日20時間以上の装着が必要。自己管理能力が求められる。 |
費用で後悔しないために:総額は「装置代」だけでは決まりません
見積もり比較で多い落とし穴が、「装置代は安いのに、通院ごとに調整料がかさむ」「保定装置が別料金だった」など、“あとから増える費用”です。
- 初期費用:検査・診断料(レントゲン、口腔内スキャン等)
- 治療中:毎月の調整料、追加アライナー・追加装置の費用
- 治療後:保定装置(リテーナー)作成・再作成、保定の経過観察料
「最初の総額」だけでなく、治療中〜治療後まで含めた費用の仕組みを確認しておくと、金額面での後悔が減ります。
期間で後悔しないために:ゴールは「歯が並ぶ日」ではなく「安定する日」
矯正は、歯を動かす期間(動的治療)と、動かした歯を安定させる期間(保定)がセットです。ここを知らないと、「来年の大事なイベントに間に合うと思ったのに、保定が必要で想像と違った……」というズレが起きやすくなります。
期限がある方は、カウンセリングで次の2点をはっきりさせておきましょう。
- あなたの“理想の期限”:いつまでに何を叶えたい?(写真映え/口元の自信/噛み合わせ)
- 医師の“現実の期限”:どこまでが可能で、どこから先はリスクが増える?
保険・医療費控除の現実:適用される条件は限られます
矯正治療は基本的には保険適用外ですが、特定の疾患や顎変形症など、条件を満たす場合に限って保険適用になることがあります。適用可否は医院の判断ではなく制度要件で決まるため、可能性がある方は初診で必ず確認してください。
また医療費控除は、審美目的のみの場合は対象外となることがあります。年齢や目的(機能改善など)に照らして“必要と認められる”場合に対象となり得ます。
成人矯正でも、目的や診断内容によっては対象になることがあるため、領収書の管理だけでなく治療目的の整理が大切です。
関連記事:歯列矯正の医療費控除、年収400万円だといくら戻る?還付金と住民税の真実
「矯正しない」選択でも後悔しないためのセルフチェック|経過観察でOKな人・要注意な人
ここは、検索する方が一番知りたい本音の部分かもしれません。「結局、私はやった方がいいの?やらなくていいの?」。
結論として、八重歯があっても全員が今すぐ矯正すべきとは限りません。ただし、次のチェックに当てはまる数が多いほど、放置して後悔しやすくなります。
| チェック項目 | 当てはまる? | 放置で起きやすいこと |
|---|---|---|
| 同じ場所が繰り返し虫歯になる | はい/いいえ | 磨き残しが定着し、再発しやすい |
| 歯間ブラシ・フロスが“通らない/引っかかる”部位がある | はい/いいえ | 歯周炎が進みやすい(気づきにくい) |
| 犬歯が突出して唇の内側に当たる/口内炎ができやすい | はい/いいえ | 慢性的な違和感・口腔粘膜のトラブル |
| 前歯でうまく噛み切れない、噛み合わせがズレている気がする | はい/いいえ | 一部の歯に負担が集中しやすい |
| 仕事(人前で話す/撮影/面接)で口元が気になり集中が切れる | はい/いいえ | 自己評価の低下→行動が消極的になりやすい |
判定の目安
- 0〜1個:「今すぐ矯正」より、まずは経過観察+ケアの最適化でもOKなことが多い
- 2〜3個:矯正も含めて選択肢を比較検討する価値が高い(相談推奨)
- 4個以上:放置で後悔しやすいゾーン。早めに精密検査で難易度と選択肢を把握
経過観察を選ぶなら「やるべき最低ライン」
矯正を「今はしない」と決めることは、逃げではありません。ただし、後悔しないためには次の3点は押さえておきましょう。
- 定期クリーニング:磨き残しが出やすい場所をプロが確認し、リスクを早めに潰す
- フロスの習慣化:通らない部位があるなら、用具の種類を見直す(歯科で相談)
- 変化の記録:年1回でもいいので口腔内写真を撮り、歯並びの変化を見える化
八重歯矯正で後悔しやすい落とし穴|失敗例から学ぶ「回避策」
「矯正したのに後悔した」という声の多くは、治療そのものよりも、意思決定や治療計画の立て方でつまずいています。ここでは、よくあるパターンを先に押さえておきましょう。
落とし穴1:ゴールが曖昧(“なんとなく綺麗に”が一番危ない)
矯正の満足度は、スタート時のゴール設定で大きく変わります。 例:「写真で口元が気にならない」「犬歯の出っ張りだけを改善したい」「噛み切りやすくしたい」など、あなたの目的を言葉にしてから相談しましょう。
落とし穴2:装置の見た目だけで選ぶ(生活と合わない)
「透明がいい」→マウスピースを選んだが、会食が多くて装着時間が足りない。これはとてもよくあります。
逆に、ワイヤーに不安があっても、「確実性」や「通院で管理できる安心感」を重視した方が合う人もいます。生活に合う選択が、結局いちばんコスパが良いのです。
落とし穴3:抜歯の説明が“怖い”だけで決めてしまう
抜歯は最終手段の一つですが、スペース不足が大きい症例で無理に非抜歯にすると、前歯が前に出て口元の印象が変わるなど、別の後悔につながることがあります。
抜歯の是非は、「怖い/怖くない」ではなく、骨格・口元・歯の傾き・歯ぐきの厚みなどを含めた総合判断です。
落とし穴4:保定を軽く見て、数年後に後戻りする
後戻りは“失敗”というより、“起こり得る自然な現象”です。大切なのは、リテーナーの種類、装着ルール、再作成費用まで含めて、最初から計画に入れておくことです。
落とし穴5:見積もりの比較軸が「総額」だけ
安いプランでも、追加装置・再スキャン・調整料が積み上がると、結果的に高くなることがあります。比較は、「何が含まれていて、何が別料金か」で行ってください。
初回カウンセリングで確認すべき質問リスト|この10個で“後悔の芽”が潰せます
カウンセリングは「説明を聞くだけの場」ではありません。不安を整理し、条件を揃えて比較する場です。以下をメモして持っていくと、判断材料が揃いやすくなります。
治療設計(難易度と安全性)
- 私の八重歯は軽度・中等度・重度のどれですか?根拠は?
- 抜歯・非抜歯、それぞれのプランのメリット/デメリットは?
- マウスピースとワイヤー、どちらがより安全で確実ですか?その理由は?
- 横顔(口元)の変化は想定されますか?
費用(後から増える部分の確認)
- この見積もりに「検査・毎月調整・保定装置」は含まれますか?
- 追加アライナー/追加装置が必要になった場合の費用は?
- 通院が延びた場合、追加費用は発生しますか?
期間(期限がある人は必須)
- いつ頃から見た目の変化が出ますか?
- 大事なイベント(撮影/面接/結婚式)がある場合、現実的なゴール設定は?
保定(後戻りの予防)
- リテーナーの種類は?装着時間のルールは?再作成費用は?
八重歯矯正のよくある質問(FAQ)
最後に、カウンセリングでも特によくいただく質問にお答えします。
Q. 治療は痛いですか?
A. 歯が動くときの痛みは、どうしても起こります。特に装置を調整した後の2〜3日がピークで、その後は少しずつ落ち着いていきます。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの場合は痛み止めで対応できる範囲です。
Q. 健康な歯を抜く(抜歯)ことはありますか?
A. 歯をきれいに並べるためのスペースが足りない場合、抜歯をご提案することがあります。もちろん、抜かずに治療できるケースも多くあります。
抜歯は最終手段の一つであり、必ず精密検査を行ったうえで、必要性を丁寧に説明し、十分に相談してから決めます。
Q. マウスピース矯正で八重歯は治りますか?
A. 軽度〜中等度なら適応になることもありますが、犬歯は動かしにくいケースがあるため、状態によってはワイヤーの方が確実なこともあります。
結論は「検査してみないと断定できない」です。向き不向きが出やすい部分なので、適応判断の根拠を丁寧に説明してくれる医院を選びましょう。
Q. 矯正後に後戻りしますか?
A. 起こる可能性はあります。だからこそ保定(リテーナー)が重要です。どのくらいの期間・どの装置・どんなルールで保定するのかを、治療開始前に“条件”として確認しておくと安心です。
Q. 矯正は保険適用になりますか?
A. 原則は自由診療ですが、特定の疾患に起因する咬合異常や、顎変形症の手術前後など、条件を満たす場合に限り保険適用になることがあります。該当しそうな方は初診で必ず確認してください。
Q. 矯正費用は医療費控除になりますか?
A. 「審美目的のみ」だと対象外になることがあります。一方で、年齢や目的(噛み合わせ改善など)からみて必要と認められる場合は対象になることがあります。
申請の可否は状況で変わるため、領収書の管理に加えて「治療目的」が整理されていることが大切です。
Q. 信頼できるクリニックはどうやって選べばいいですか?
A. 一つの目安として、「日本矯正歯科学会 認定医」の資格を持つ歯科医師が在籍しているかを確認することをおすすめします。
認定医は、矯正歯科に関する学識と経験を学会に認められた専門家です。複数のクリニックでカウンセリングを受け、あなたの価値観や悩みに真摯に向き合ってくれる「任せられる相手」を見つけることが、いちばん大切です。
あなたの決断が、最良の決断です
この記事では、八重歯を矯正すべきか悩むあなたのために、客観的な事実と、自分で判断するための「3つの考え方のフレームワーク」を提示しました。
八重歯には、放置することで将来的な健康リスクが高まる可能性がある一方、矯正治療には費用や時間の負担が伴います。どちらを選んでも、メリットとデメリットはあります。
ただ、ここまで読み進めたあなたは、もう漠然と悩んでいた頃のあなたではありません。「健康」「キャリア」「自己投資」という自分の軸で考える視点を、すでに持てているはずです。
どちらを選ぶにせよ、それはあなたが深く考え、納得して出した決断です。その決断に、自信を持ってください。
もし専門家と一度話してみたいと思ったら、まずは複数のクリニックでカウンセリングを受けてみましょう。その際は、次の3つを確認するのがおすすめです。
- 説明の分かりやすさ: 質問に対して、専門用語に頼らず丁寧に答えてくれるか。
- リスクの説明: メリットだけでなく、デメリットやリスクも正直に説明してくれるか。
- 価値観の尊重: あなたの生活や価値観を理解しようとしてくれるか。
大切なのは、治療法そのものだけではなく、「この先生になら任せられる」と思えるパートナーを見つけることです。あなたの一歩を、心から応援しています。
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透明なマウスピースなので普段つけても目立ちませんし、費用も明確になっているので迷わずに始められます。
対応している歯並びも多く、ガミースマイルや出っ歯、口ゴボなども対応しています。
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