友人や親戚の結婚式。幸せな空気の中で撮った集合写真を、あとで見返したとき。ふと自分の「重なり合った前歯」に目が止まり、一気に現実に引き戻されるようなショックを受けたことはありませんか?
SNSを開けば「月々3,000円から」「総額20万円で完結」といった、手軽なマウスピース矯正の広告が流れてきます。
けれど鏡に映る歯並びを見れば見るほど、「私のこのガタガタが、そんなに安く治るはずがない……」という置いていかれるような気持ちと、本格的に治すなら「100万円はかかる」という噂への怖さで、動けなくなっているかもしれません。
結論からお伝えします。「ひどい歯並び」と呼ばれる重度症例の治療費相場は、たしかに90万〜160万円前後と高額になりやすいのが現実です。
ただし、公的な「医療費控除」という減税制度と、金利を抑えた「デンタルローン」を上手に組み合わせれば、手元のお金の負担をできるだけ減らし、月々の支払いをジム代や美容院代に近い金額まで“月払い”にしていくことも可能です。
この記事では、重度症例だからこそ知っておきたい「賢い支払いの組み立て方」と「失敗しない医院選び」のポイントを、今日から動ける形に落として解説します。
- 重度は「格安」と前提が違う: 抜歯/スペース確保/噛み合わせの調整が必要になりやすい
- 総額提示制(トータルフィー)が強い: 重度ほど「追加費用」が増えやすい
- 医療費控除×ローンで“月負担”にする: 一括が難しくても、組み方次第で現実的になる
- 医院選びは「検査の質」と「見積のわかりやすさ」: ここが弱いと、時間も費用もムダになりやすい
KEIKO/ 歯科衛生士
歯科衛生士。都内の歯科医院でのクリーニング・着色除去の現場経験をもとに、ホワイトニングや歯列矯正などの歯に関する知識についてをやさしく解説します。子育て真っ最中。趣味はガーデニングと読書。最近下の子が覚えた言葉は「バイバイ」。
なぜあなたの歯並びは「格安」で治らないのか?重度症例の厳しい現実
SNSで見かける「格安マウスピース矯正」の多くは、実は前歯数本を整えるだけの「軽度症例」を対象にしています。
歯が大きく重なっている状態(叢生:そうせい)は、医学的に「重度」に分類されやすく、「格安矯正」と「専門的な矯正治療」には、治し方にハッキリとした境界があります。
まず確認:あなたの「ひどい」は、どのタイプ?(セルフ整理)
検索意図の中心はここです。「私の歯並びって、本当に重度?」を自分の言葉で整理できるだけで、ムダな比較検討が一気に減ります。
- 叢生(ガタガタ・重なり): 前歯が重なり、歯列から外れている歯がある
- 上顎前突(出っ歯): 前歯が前に出て、口が閉じにくい
- 反対咬合(受け口): 下の歯が上の歯より前に出ている
- 開咬: 奥歯は当たるのに、前歯が閉じない
- 過蓋咬合: 上の前歯が深くかぶさり、下の歯が見えにくい
矯正治療は、こうした不正咬合を矯正装置で整え、見た目だけでなく「噛みやすさ」などの機能面も良くしていくことを目的に行われます。
重度症例に必要な「3つの工程」が、費用を押し上げる
重度症例の場合、ただ歯を並べるだけでは終わりません。次の3ステップが必要になりやすく、その分、費用も期間もどうしても増えやすくなります。
- 抜歯やIPR(歯の側面をわずかに削る処置): 歯をきれいに並べるための「スペース(土地)」を確保する下準備
- 歯根の移動: 歯の表面だけでなく、骨の中の根っこごと動かす(難度と期間が上がりやすい)
- 骨格と噛み合わせの調整: 見た目だけでなく、長く使える噛み合わせ(機能)まで整える
「抜歯が必要=失敗」ではない(むしろ“安定の条件”になりやすい)
重度の叢生では、非抜歯で無理をすると、後戻りや口が閉じにくい状態につながることがあります。また、成人の矯正では「抜歯が必要になる人が多い」という実情もあります。
つまり抜歯は「減らすから悪い」ではなく、安全にきれいに整え、長く安定させるための選択肢のひとつです。格安広告が触れにくいのは、まさにここです。
費用相場が「90万〜160万円」になりやすい理由(相場の根拠)
矯正治療は一般に自費診療で、トータルの費用が90万〜160万円程度になることがあります。また、調整料が毎回かかるタイプだと、想定より高くなる場合もあります。SNS広告など、極端に安い訴求には注意が必要です。
安易に格安の門を叩いた結果、数ヶ月で「これ以上は難しいです」と言われ、結局、専門医院で再矯正(総額100万円超)になるケースは珍しくありません。
「最初から正しい医療を選ぶこと」が、生涯コストで見れば最大の節約になることがあります。
重度こそ「総額提示制(トータルフィー)」を選ぶべき3つの理由
重度症例は治療期間が2〜3年と長引く傾向にあります。そこで大事になるのが、「総額提示制(トータルフィー)」と「処置料別払い制(都度払い)」という2つの料金形態の違いです。
理由①:重度は“想定外”が起きやすく、都度払いだとブレが増える
重度ほど、途中の微調整・追加装置・治療期間の延長が起きやすいです。都度払いは、最初の見た目が安くても、後半で積み上がって「気づいたら総額がトータルフィーを超えていた」ということが起こりやすくなります。
理由②:費用の不安が、通院とセルフケアの質を落とす
「今回も5,000円か…」が積み重なると、通院の間隔が空いてしまい、結果として治療が長引きやすくなります。重度ではこの悪循環が致命的です。
理由③:比較検討の基準が“総額”に揃う(判断が一気にラクになる)
医院比較は、最終的に「総額」と「含まれる範囲」の勝負です。トータルフィーなら比較の基準がそろいやすく、決めるまでの迷いがぐっと減ります。
📌 ここが落とし穴:トータルフィーでも「含まれない費用」がある
総額提示制は心強いですが、確認をサボると意味がありません。必ず見積書で、次の項目を“文字で”確認してください。
- 精密検査・診断料: 初回だけ別途、という医院は多い
- 調整料: 「総額」と言いつつ、毎回の処置が別のケース
- 保定装置(リテーナー)料: 終了後に追加請求が出やすい
- 再診断・再作製: 追加装置や再作製の扱い(回数制限など)
- 抜歯や虫歯治療: 矯正費とは別枠になることが多い
また、同じ「トータル料金」のように見えても、調整料が別で毎回かかるクリニックがあります。一見安く感じても、調整料で予想より高くなることがある点には注意が必要です。
📊 比較表:料金形態による支払額の変化(3年治療の場合)
| 項目 | 総額提示制(トータルフィー) ✅ | 処置料別払い制(都度払い) ⚠️ |
| 基本料 | 100万円 | 80万円 |
| 調整料(月1回) | 0円(込み) | 5,000円〜10,000円 |
| 保定装置代 | 0円(込み) | 30,000円〜50,000円 |
| 3年間の総支払額 | 100万円(固定) | 101万円〜118万円(不確定) |
【家計シミュレーション】100万円の壁を「医療費控除×ローン」で突破する技術

さて、ここが本題です。事務職で年収350万円のサキさんが、100万円という壁をどうやって越えるか。
その答えは、「医療費控除で税金が軽くなる分」と「低金利ローンでの分割払い」を組み合わせることです。
1. 医療費控除で「実質負担」を下げる(まず誤解を正す)
医療費控除は「お金が戻ってくる制度」というより、課税所得が減る=税金が軽くなる制度です。その結果として、還付(戻り)が出ることがあります。
医療費控除の対象になりやすい矯正の考え方
国税庁の案内では、発育段階の子どもの矯正で「歯の治療」と認められるものは、医療費控除の対象になり得ることが示されています。
成人矯正でも、一般に「噛み合わせなど機能面の改善が目的」と説明できると、医療費控除として扱われやすい一方、見た目の改善が主目的に見える場合は判断が分かれる可能性があります。
ここは医院側が「治療目的」を説明できるか、領収書などがきちんとそろうかが大切です。
医療費控除で“いくら戻るか”は、ここでブレる(必ず知っておく)
- その年の課税所得(所得税率): 税率が高いほど軽減額が大きくなりやすい
- 住民税: 所得税だけでなく住民税側にも影響が出る
- 他の医療費: 家族の医療費を合算できる場合がある
【実務で一番ラク】“控除見込み”の出し方(超シンプル手順)
- その年に払う「矯正費+家族の医療費」の合計をメモ
- 領収書(または明細)を月ごとに保管
- 確定申告で医療費控除を入れて試算(税務ソフトでOK)
※最終判断は税務の扱いによります。迷ったら税理士または税務署で確認してください。
2. デンタルローンで「月々の返済額」を固定する(現実的な設計例)
「100万円を一括」は難しくても、分割にすると現実が変わります。例えば、借入100万円・金利年4.0%として、
- 60回(5年): 月々 約18,400円(総支払 約110.5万円)
- 84回(7年): 月々 約13,700円(総支払 約114.8万円)
※上記は概算です(金融機関・審査・金利で変動)。
ここ重要:ローンの「利息」は医療費控除になりにくい
国税庁の説明では、医療費控除の対象は「実際に支払った治療費」であり、ローン等の利息部分は対象に含まれない、という整理が示されています。
だからこそ、ローンは「借りすぎない」「金利が低いところを選ぶ」「可能なら繰上返済も視野に入れる」が基本です。
分割戦略のコツ:月2万円に収める“3つの手”
- 返済期間を5年〜7年で調整: まず月額を現実ラインに落とす
- 頭金を10万〜20万だけ入れる: 借入元本を減らす(利息も減る)
- 医療費控除の軽減分は「繰上返済」に回す: 家計への負担を残しにくくする
「今ある現金」を守るのも立派な戦略(生活防衛の観点)
重度矯正は長期戦です。貯金を全投入して家計がギリギリになると、途中で通院やメンテナンスが乱れやすくなり、結果として“いちばん高い失敗”につながりかねません。
ローンは悪ではなく、家計を安定させるための道具として使う発想も大切です。
失敗しないための「認定医」の探し方とカウンセリングの受け方
費用の見通しがついたら、最後は「誰に任せるか」です。重度症例でいちばん避けたいのは「技術不足で治療が長引くこと」。
確かな技術を持つ医師を選ぶことが、時間と費用を守る最大の近道になります。
重度ほど「検査の質」で勝負が決まる
矯正では、頭部X線(セファロ)やパノラマなどのレントゲン撮影・分析を行い、その結果をもとに治療計画を立てることが必須とされています。
カウンセリングで「軽く見て、すぐ契約」は危険です。検査 → 診断 → 方針説明 → 見積がそろってはじめて、医院同士を正しく比べられます。
認定医を探すステップ
- 日本矯正歯科学会の「認定医・指導医・臨床指導医を探す(名簿/検索)」で近隣の医院を探す。
- HPで「総額提示制(トータルフィー)」か、費用に含まれる範囲が明記されているか確認。
- カウンセリングで「私の症例で、過去にどれくらい期間と費用がかかった事例があるか」を具体的に聞く。
見積書チェックリスト:重度の人ほど「この7項目」を見てください
- 精密検査・診断料
- 装置料(表側/裏側/マウスピース/ハイブリッド等の違い)
- 調整料(毎回いくら、総額に含むか)
- 抜歯・IPR・補助装置(追加費用の有無)
- 保定装置(リテーナー)
- 再診断・延長時の扱い(追加作製・再治療の費用)
- 途中中断(解約)時の精算ルール(返金規定の明文化)
【カウンセリング質問テンプレ(コピペOK)】
- 「私の症例は、重度(抜歯が必要な可能性)に入りますか?根拠(検査結果)も含めて教えてください」
- 「費用は総額いくらで、何が含まれ、何が別料金ですか?見積書に明記できますか?」
- 「治療が延びた場合、追加費用は発生しますか?どんな条件で発生しますか?」
- 「医療費控除の対象になり得るよう、治療目的(機能面)の説明は可能ですか?」
- 「ローンを組む場合、利息は控除対象外と理解しています。最適な返済期間を一緒に考えられますか?」
「今の予算で何とかしてください」ではなく、「総額100万円を、医療費控除とローンで月々2万円以内に収める形は作れますか?」と聞いてください。
誠実な医院ほど、費用の説明が具体的で、こちらの状況にも寄り添ってくれます。
よくある質問(Q&A):「ひどい歯並び×費用」で検索する人が一番つまずく所
Q1. 医療費控除って、マウスピース矯正でも対象になりますか?
A. 装置の種類(ワイヤー/マウスピース)で決まるのではなく、治療目的(機能面の改善として医療と認められるか)で扱いが左右されます。国税庁の説明でも、矯正が医療費控除の対象になり得ることが整理されています。
Q2. ローン払いだと医療費控除できませんか?
A. ローンでも、治療費として支払った部分は対象になり得ます。ただし、国税庁の整理では利息相当分は対象にならない扱いです。
Q3. 「総額20万円で完了」の広告は、全部危険ですか?
A. すべてが危険というわけではありませんが、重度症例の土俵ではない可能性が高いです。
矯正費用の現実として90万〜160万円程度が目安になり得ること、極端に安価な広告には注意が必要なことが注意喚起されています。
Q4. 抜歯はできれば避けたい…非抜歯でやり切れますか?
A. 症例次第です。ただ、無理な非抜歯は長期的に安定しにくく、後戻りや口が閉じにくい状態につながることがあります。
「抜歯=悪」ではなく、「将来の安定のための選択肢」として、落ち着いて検討してください。
Q5. 認定医はどこで探せますか?
A. 日本矯正歯科学会の名簿/検索ページで、認定医・指導医・臨床指導医を探せます。
まとめ:お金を理由に30代を無駄にしない。今日から始める「自分への投資」
「ひどい歯並び」を抱えたまま、この先10年、写真を撮るたびに口元を隠して過ごしますか? それとも、月2万円という「飲み会数回分」の投資で、一生ものの自信を手に入れますか?
100万円という数字だけを見て、絶望する必要はありません。「総額提示制」で隠れた出費を抑え、「医療費控除」で税負担を軽くし、「デンタルローン」で月々の負担をならす。 この3つを組み合わせれば、現実的な一歩に落とせます。
最後に、今日やってほしいことはシンプルです。 ①認定医候補を2院ピックアップ → ②見積書の“7項目”をそろえる → ③月2万円設計で相談する。
これだけで、迷いが減って前に進みやすくなります。
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透明なマウスピースなので普段つけても目立ちませんし、費用も明確になっているので迷わずに始められます。ガミースマイルや出っ歯ももちろん対応しています。
初回診断は無料なので、まずは気軽にご相談してみることをおすすめします。
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[参考文献リスト]
- 所得税:医療費を支払ったとき(医療費控除) – 国税庁
- 所得税:医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例 – 国税庁
- 認定医・指導医・臨床指導医を探す – 公益社団法人 日本矯正歯科学会
- 歯科矯正の概要と注意点(国民生活 2024.8) – 国民生活センター関連PDF